2009年11月28日

残り湯に人情の香り 街角の銭湯、県内3軒に

 ピーク時は県内に300軒以上あったという銭湯(ユーフルヤー)。10月末に糸満市で57年間営業した老舗ときわ湯が閉店し、県内で営業する銭湯は旭湯(那覇市樋川)、日の出湯(同市泉崎)、中乃湯(沖縄市安慶田)の3軒だけとなった。

 家庭風呂の普及や近年の燃料高などで、風前のともしびにあるユーフルヤーだが、今もお年寄りや昔なじみの常連客が集まるいこいの場として、人情味あふれる風景を残している。与儀十字路近くにある旭湯は1950年ごろの創業。通りに面した入り口から階段を上ると、懐かしいせっけんの香りが広がる。

 店主の上原フミ子さん(82)は「戦後は家庭に風呂どころか水道もない時代。朝10時から夜10時まで休みなく、お正月は夜中まで営業した。気持ちも体もリラックスし、『ごちそうさま』と言うお客もいる」と話す。旭湯の前は道路拡張工事が予定され、いずれ店を閉める日が来るという。

 現在は午後3時の開店。常連の女性客らは約1時間はゆんたくに花を咲かせる。差し入れを振る舞う具志堅フミさん(85)は「本当にぬちぐすい(命の薬)。ここに来るから長生きできる」と笑顔を見せる。

 那覇高校近くにある日の出湯は、2代目の高良ツヤ子さん(78)が家族と切り盛りする。最近は近くの民宿に泊まる若い観光客も来店するが「燃料高の時はよほど閉めようかと思った。今はボランティア気分。ここは本当の『裸の付き合い』の場所よ」と笑う。孫の村吉真由美さん(26)も番台に座り「お客さんたちの会話はとても楽しそう。家族のような雰囲気がある」と語る。

 中乃湯は創業約50年。入り口のベンチは「久しぶり」「ゆっくり入っておいでね」と、常連客や地元の人々の社交場となる。定休日以外は毎日、読谷村から夫婦で通う山内幸一さん(73)は「痛いところもよくなる。お昼を食べた後は、ここに来ないと落ち着かない」と話し、妻シズさん(71)は「肌もつるつる。毎日一緒に来て夫婦仲良しよ」とほほ笑む。

 昨年4月に「越来湯」が閉店し、沖縄市内に残るのは中乃湯のみ。店主の仲村シゲさん(75)は「燃料代も電気代も上がってやめていく気持ちも分かる。でも、一日でも休むと寂しい。友達もたくさんできるいこいの場。100歳まで頑張るさ」と温かな笑顔で語った。(座波幸代)

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-153476-storytopic-5.html

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